つみたてNISAを始める際に、証券会社の口座で始めるのか銀行で始めるのかで悩む方がいると思います。
ここでは証券会社と銀行のつみたてNISAについてわかりやすく比較していきます。
これを読むことで、両者の違いやメリット・デメリットがわかり、自分に合う口座はどこかを考えるヒントになると思います。
つみたてNISAは証券会社と銀行の違いは?
まず両者での共通点として、つみたてNISAは口座の開設や維持に手数料がかかりません。
証券会社を選んでも銀行を選んでもこれは同じです。コスト面を考えたら特に差はありません。
銀行でつみたてNISAをする際のメリットは?
ではつみたてNISAを運用する際に、ネット証券ではなく銀行を選ぶメリットはなんでしょうか。
まず、ネット証券に比べると銀行には顧客との近さがあります。
ネット証券だと、自分で一から口座解説の手続きをして、利用方法や仕組みを理解するために調べるなどの手間がかかります。
これが面倒な方は、ネット証券よりなじみのある銀行の窓口で説明を受けながらの方が楽かもしれません。
つみたてNISAには、「頻繁に分配金が支払われない」「手数料が一定以下」「長期で分散投資に向いている」商品を扱うといった厳しい基準があるので、銀行でも比較的安心して口座をつくって投資できます。
また、投資初心者の方で銀行にしか口座がなく、つみたてNISA以外の投資に興味がない方は、ネット証券で講座を開くより銀行でつみたてを始めた方がメリットはありますね。
ネット証券でつみたてNISAをするメリットは?
一方、ネット証券でつみたてNISA口座を開くメリットは何でしょうか。
まず、つみたて以外の他の資産運用も考えている方は、ネット証券で口座を作るのがいいでしょう。
ネット証券では専用の証券講座を開けば、そこにNISA・つみたてNISAの口座を追加して開設することができます。
そして、異なる一般口座と証券口座の資産内容を1つの証券会社で確認・管理できるのも便利です。
また、ネット証券にはどこでも使いやすいツールがあり、スマートフォンで取り引きが完結できるアプリもあります。
会社員や忙しい方でも仕事のあい間をみて投資がしやすい環境が整えられています。
このほか、ネット証券の口座があれば、FXや金、先物投資などのトレードもできたりします。
自分がどのような方法で資産を増やしていこうかをよく考え、多様な投資をしていきたいならネット証券で口座を作るのもいいと思います。
商品ラインナップ
つみたてNISAで投資できる商品は金融機関ごとに異なります。
まず、金融庁が定めた厳しい条件をクリアした投資信託が約200本あり、各金融機関はその中からそれぞれの方針でラインナップを決めています。
そのため、自分が投資しようと思っていた商品が「A社にはあるが、B社にはない」ということもあり得ます。
ですから金融機関を決める際には、自分がやりたい商品がラインナップにあるかどうか必ず確認しましょう。
また、まだ商品を決めてない方は商品数の取り扱いが多いところを選ぶと、後々困ることが少なくなります。
以下に各ネット証券・銀行ごとのつみたてNISA用投資信託の取扱本数を掲載しておきます。(2021年10月末現在。最新情報は各機関でご確認ください)
ネット証券
・SBI条件:172本
・楽天証券:170本
・松井証券:170本
・auカブコム証券:157本
・マネックス証券:151本
銀行
・三菱UFJ銀行:12本
・ゆうちょ銀行:12本
・みずほ銀行:5本
・りそな銀行:4本
・三井住友銀行:3本
最低積み立て金額は?
つみたてNISAで投資できる下限額も、金融機関によって異なります。
最低額だと毎月100円から可能な金融機関もあれば、高いところだと毎月1万円からの金融機関もあります。
100円からつみたてNISAを始めたい方は、積立可能な最低額が100円のネット証券を選ぶといいでしょう。
以下は各機関のつみたて最低額です(2021年10月末現在。最新の情報は各機関に確認ください)。
ネット証券
・SBI証券:100円~
・楽天証券:100円~
・松井証券:100円~
・auカブコム証券:100円~
・マネックス証券:100~
銀行
・三菱UFJ銀行:1,000円~
・ゆうちょ銀行:1,000円~
・みずほ銀行:1,000円~
・りそな銀行:1,000円~
・三井住友銀行:10,000円~
積み立て頻度は、毎日?毎週?毎月?
つみたてNISAは毎月積み立てが基本となっていますが、金融機関によっては「毎日」積み立てや「毎週」積み立てを選ぶことが可能です。
小銭を貯金箱に入れる感覚で毎日コツコツやりたい方は、これに対応している金融機関を選ぶのがいいですね。
以下は「毎日」「毎週」の積立に対応している機関です。ここに名前のないところは原則毎月積立のみです。
毎日積み立て可能
・SBI証券
・大和証券
・マネックス証券
・楽天証券
・CONNECT(大和証券グループ)
毎週積み立て可能
・SBI証券
・大和証券
銀行引き落としの有無
つみたてNISAをする際、普段使っている銀行の預金口座から「自動引き落とし」で積み立てできると便利です。
自分のメインバンクから自動引き落としが可能かどうか確認しておいても損はないですよ。
以下に金融機関ごとのつみたて引き落とし可能な銀行の数を書いておきます(2021年10月末現在。最新内容は各金融機関にご確認ください)。
ネット証券
・SBI証券:全国450以上の銀行等に対応
・楽天証券:全国450以上の銀行等に対応
・松井証券:全国450以上の銀行等に対応
・auカブコム証券:全国7の銀行等に対応
・マネックス証券:全国の銀行等に対応
銀行
・三菱UFJ銀行:自行のみ
・ゆうちょ銀行:自行のみ
・みずほ銀行:自行のみ
・りそな銀行:自行のみ
・三井住友銀行:自行のみ
ネットサイトやアプリの使いやすさも大事
つみたてNISAを始めると金融機関によって色々な特典が受けられる場合があります。
せっかく長期間お金を預けるのだから、よりお得に収入が増やせるほうがいいですね。
また、疑問点やわからないことがあった場合、解説やQ&Aがわかりやすくまとめられているかもチェックしておきましょう。
つみたてNISAに限って言えば、ネット証券も銀行も自社ホームページできちんと解説しているところが多いのでそれほど差はないと思います。
直接質問をしたい方は、コールセンターや質問窓口の営業時間、問い合わせした際の対応が丁寧だったのかも選ぶポイントになります。これもどちらもそんなに差がないかもしれません。
購入用のアプリやトレードのツールなどは、やはりネット証券の方に一日の長があるように思います。
しかし、銀行もいろいろサービス向上に努めていますので、この点もいずれ差は無くなってくるかもしれません。
まとめ・つみたてNISAならネット証券か銀行か
つみたてNISAの口座はネット証券にすべきか銀行でOKか。
選ぶ際にはいろいろな要素や条件があることがおわかりいただけたと思います。
考えるべきは、
- つみたてNISA以外に投資はしないのか
- 自分のメインバンクから引き落とし積立ができるか
- 積み立てる頻度を細かく設定できるか
- 少額(100円)から積み立てできるか
- 投資できる商品の数や内容は十分か
- 便利なアプリやツールを使えるか
といった点でした。
ネット証券と銀行のメリットも把握し、自分に合う投資方法を考えた上でネット証券なのか銀行なのかをしっかり見極めましょう。