NISA制度は2024年から制度変更になります。本記事は制度変更前の内容となっており、2023年内いっぱいまで有効です。くわしくは新制度について現行制度からの変更点を書いた以下の最新記事をご覧ください。
NISAの少額投資非課税税制を最大限に活用するにあたり、投資のスタイルや好み、自分に合った取引口座を選択するのはとても大切なことです。
NISA口座は、多くの金融機関で開設はできますが、実際に開設できるのは1人につき1口座のみとなっています。
NISAの口座は毎年変更できますが、それでもまずは1つ選ばなくてはいけません。
そこで、NISAを始めてみたいけど、どこで口座を開設すればいいのかわからないと悩んでいる方に、NISA口座を開設できる証券会社をいくつか紹介して、その特徴やメリットを簡単にまとめておきたいと思います。
★取扱商品数などの数字は2021年5月現在のものです。あくまで目安ですので、更新された正しい数字は公式サイト等でご確認ください。
業界1位の人気を誇るSBI証券
まずはSBI証券をご紹介します。
オンライン証券では業界ナンバーワンの会社です。特徴とメリットは以下の通り。
- 取引手数料0円
- 投資信託2680本
- 取扱い外国株式9ヶ国
- IPO(新規上場株式)数がダントツ
- キャッシュバックが高い
- 口座数第1位
- 海外株取引数第1位
楽天ポイントが強みの楽天証券
続いては楽天証券です。
日本一のネットショッピングサイト「楽天」の証券子会社です。知名度では一番ではないでしょうか。
特徴とメリットは以下の通りです。
- 取引手数料0円
- 投資信託2700本以上
- 外国株6ヶ国
- IPO38社
- 投資信託に強い
- ツールと情報力も強い
- 楽天ポイントが使えて貯まる
米国株にとにかく強いマネックス証券
お次はマネックス証券です。
ここは扱っている米国株や米国ETF(上場投資信託)の数が格段に多いことで知られています。
特徴とメリットは次の通りです。
- 取引手数料0円
- 取扱投資信託1180本以上
- 外国株取扱は2カ国
- うち米国株取扱日本最多
- 年間IPO50社超
- アマゾンギフト券がもらえる
老舗ネット証券の松井証券
次は松井証券のご紹介です。
ネット証券として早くからサービスを提供してきた老舗証券です。
特徴とメリットは以下の通り。
- 取引手数料0円
- 取扱投資信託1400本以上
- 外国株取扱なし
- IPOは18社程度
- 老舗ネット証券の安定感
- 売買手数料無料
- 投資情報ツールに強み
個性的な証券会社がいろいろ
このほかいろいろなネット証券がありますので、簡単にご紹介しておきます。
GMO証券
- 取引手数料0円
- 投資信託128本
- 外国株なし
- 本格派のツール有り
SMBC日興証券
- 取引手数料137円〜
- 投資信託1180本以上
- 外国株1ヶ国
- IPO50社超
- 1株から株が買える
- IPOの主幹事が多い
ここに本文を入力
岡三オンライン証券
- 取引手数料0円
- 取扱投資信託560本超
- 外国株1ヶ国
- IPO39社
- 情報力に強み
- IPO投資の穴場証券
ネット証券でNISA口座を開くメリット
ここまで紹介した証券会社はいずれもインターネット上での手続きで口座が開け、取引もネット上でできる「ネット証券(オンライン証券ともいう)」です。
なぜネット証券がいいのでしょう。その理由を挙げておきましょう。
手数料がだんぜん安い
実店舗を持つ証券会社や銀行よりも、ネット証券の方が手数料が圧倒的に安いです。
窓口対応の人件費が抑えられる分、手数料もかからないわけです。
実店舗型証券会社だと、一度の取引手数料がネット証券会社より10,000円以上も高くかかることもあります。
総合口座の手数料も当然安い
NISA口座を開設するには、まずは総合口座を開設していることが条件となります。
NISA終了後も投資を続けたいと考えている人は、終了後に資金を移行する総合口座での取引手数料も大事になってきますので、あわせて調べておくといいでしょう。
ただ総合口座も、ネット証券は実店舗型より手数料が格段に安いので、その点もネット証券が有利となります。
商品ラインナップが豊富
ネット証券は概して取扱い商品のラインナップがとても豊富です。
これも人件費とかかわると思いますが、実店舗型だと商品知識を持つ人を窓口ごとに雇う必要がありますから、商品をそんなには増やせません。
また、銀行や郵便局は証券会社と異なり、株式の取引ができません。したがって、NISA口座を開いてもそこで取引できるのは投資信託だけということになります。
ところがネット証券は、お客さんが自分で当該商品ページの説明を読むだけなので、当然窓口ごとに商品知識を持つ人を雇う必要も教育する必要もありません。
だからネット証券は商品をどんどん増やしていけるんですね。
NISA口座は損益通算できない
ではなぜ、商品ラインナップが豊富な方がいいのでしょう。
ここで押さえておいてほしいポイントが「損益通算」です。
株式投資では通常、一定期間内(通常1年)の利益と損失を相殺することができます。これを損益通算といいます。
株式を売って得た利益(譲渡益)や配当には税金がかかります。しかし一方で損失が出た場合は利益からその分を差し引く損益通算をして、その分だけ税金を減らすことができるのです。
また、差し引きしてマイナスになった場合、確定申告を行うことで最長3年間、損失を繰り越し、翌年以降出た利益と相殺することで税金を減免することも可能です。
ところが、NISA口座はこの損益通算ができません!
NISA口座はもともと利益に課税されないという優遇が働いているため、損失を出せば当然マイナスがそのまま増えることになります。
そのため、利用する方はできるだけ損失を出さなくて済み、将来的に値上がりが見込める銘柄をコツコツ購入していくことが大事です。
そのためには、自分に合う投資先を見極め、それを取り扱っている商品が豊富なところを選ぶ必要があるのです。
自分に合う投資商品は何かを考える
証券会社を選ぶ際には、自分が取引したい投資商品の銘柄が豊富なところを選ぶ必要があると前の章で書きました。
とはいえ、どんな投資商品が自分に向いているのかは、どれくらいのスパンで資産形成を図りたいかで人それぞれ異なります。
ですので、初心者は選択肢が幅広い証券会社を選ぶのが無難でしょう。先に上位で紹介した証券会社はその点で強みがあります。
たとえば、NISAの非課税枠120万円を無駄なく使いきるには100円単位で投資額をコントロールできる「投資信託」が最適です。
ソフトバンクとかソニーなど個別の株の銘柄を買おうと思うと、購入単位がどうしても大きくなるため、たとえ1株から買える証券会社でも枠を全部使い切るのは難しいです。
また、上場したばかりの若い企業の成長に投資するなら、IPO(新規上場株)を豊富に扱っている証券会社がいいでしょう。
証券会社は自分たちが幹事となって新しい企業の上場をサポート(株を引き受けて販売など)しますが、これに強い会社とそうでない会社があります。
上の会社紹介でも挙げているIPOの数は、年間でどれだけの企業の新規上場を引き受け、自社の口座を持っている株主に販売したかの実績値を示しています。
上場前に新規上場の株を購入できれば、上場後にはかなりの確率で購入額より高い値がつきますので、チャレンジしてみてもいいかもしれません(もちろん下がることもありますので注意が必要です)。
また、個別銘柄も買ってみたいという場合、日本株だけでいいのか、ほかの米国株や中国株、アジア株なども購入したいのかも検討する必要があります。
総合口座はいくつでも開ける
ここまでNISA口座を開くときに考えるためのポイントをいろいろ並べてきました。
でもまだ1つには決められないなあという方も多いと思います。でも心配ありません。
先にNISA口座は1人1口座しか持てないと書きましたが、証券会社の普通の口座(総合口座)は1人でいくつでも開けます。
NISA口座を開く場合、その証券会社に総合口座を開いていることが条件となりますので、たくさん開いて、扱っている商品のページを眺めたり、アプリや取引ツールも試してみて、それからNISA口座を開く証券会社を選んでもいいのです。
総合口座を開くには手続き・書類が必要になってきますが、身分証明、マイナンバー、住民票などほとんどどこも同じですから、慣れてしまえばたくさんの総合口座が開設できるようになります。
総合口座の開設はネット証券ならどこでも無料です。
口座はネット証券以外で開くことも
また、NISA口座はネット証券以外でも、店舗型の証券会社や身近な郵便局、銀行でも開設が可能です。
人によって投資の目的や価値観が違い、ネットの向き不向きもありますから、もしオンライン口座が自分に向かないと思うなら、手厚いサポートが受けられる実店舗型証券や使い慣れた銀行などで開くのも手です。
ただし、人件費がかかっている分、取引手数料や為替手数料(円からドルなどに替える費用)は高く、初心者をだまして高い経費率の投資商品や資産形成にはならない貯蓄型の保険商品などに誘導されることも多いので注意が必要です。
NISA口座開設方法
上記で書いた通り、NISA口座を開くにはまず、証券口座にふつうの総合口座を開く必要があります。
NISA口座開設までの流れは以下の図の通りです。
オンラインで開設の場合
- WEB上でお手続き(フォームの入力と必要書類のWEBアップロード)
- NISA取引き可能、仮開設(当社で書類確認完了)
- 税務署審査
- 開設完了(本開設)
オンライン開設は、最短2営業日で開設可能です。
郵送で開設の場合
- WEB上で口座開設書類を請求
- 書面でお手続き(必要書類を郵便にて送付)
- NISA取引き可能、仮開設(書類確認完了)
- 税務署審査
- 開設完了(本開設)
郵送での開設は、最短7営業日で開設可能です。
資料請求してみる手も
今回は、NISA口座に適している証券会社を紹介しました。
1社に絞りきれない方は、たくさんの証券会社に総合口座を開くといいですが、そこまでしなくても、各証券会社にアクセスして取り扱っている商品やNISA口座についてのページを読んで比べてみてもいいでしょう。
また、もっと詳細なことが知りたい場合、少し面倒でも総合口座を開いてからNISAを開設するふりをして資料請求してみるのも手です。
各ネット証券会社で無料で総合口座開設をすると、必ずNISA口座を開設するかどうかの選択肢が出てきますから、その際に「NISA書類の請求申込み」をクリックして資料を送ってもらうこともできます。
資料をもらっても開設しなければいいだけの話です。
また、使ってみて合わない場合、翌年には別の証券会社に乗り換えることも可能です。
あまり力まずあせらず、自分に合ったNISA口座を探してみてください。資産形成の道のりはまだまだこれから長いのですから。