NISA制度は2024年から制度変更になります。本記事は制度変更前の内容となっており、2023年内いっぱいまで有効です。くわしくは新制度について現行制度からの変更点を書いた以下の最新記事をご覧ください。
NISAでは企業単体の個別銘柄も買えますが、「投資信託」という商品を購入することができます。
「投資」資金をその商品の運用会社に「信」用して「託」すから「投資信託」。
投資家は様々な投資信託の中から好きな商品を選んで購入し、NISAの枠の中で運用し、これが値上がりすれば最終的に売却して利益を得られます。
今回はこの投資信託について、どのような商品なのか、NISAで買う際の選び方や注意点、メリット・デメリットなどを初心者にもわかりやすいように解説していきます。
投資信託の基礎の基礎となりますので、どういった商品なのかを正しく理解してご自身の投資に役立ててください。
投資信託の基本と注意点
投資信託は「ファンド」とも呼ばれ、個人などの投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、ファンドマネジャーと呼ばれる専門家が一定の運用方針に基づいて株式や債券などに投資して運用する商品のことです。
いわば株や債券などの「詰め合わせパック」のようなものです。そのパックの一部(の権利)を投資家は手数料を上乗せして購入するわけです。
投資家から集めた資金をどのような対象にどの程度投資するかは、その商品内容に沿って、ファンドを運営するファンドマネジャーが決めます。
たとえばアメリカのハイテク企業の株ばかりを詰め合わせたファンドもあれば、電気自動車やその部品を作る企業ばかりを集めたもの、インドやブラジルなど新興国の企業の株だけを集めたファンドなど、実に様々な商品があります。
投資家はそうした様々な商品の中から、自分の考えや好みに合う商品を選んで購入し、資産形成に生かしていきます。
購入額や購入方法は自由
いくつの投資信託を買うか、どれくらいの金額を買うか、一度にまとまった額を買うのか月ごとに一定額を積み立てていいくかなどは、すべて投資家の自由です。
逆に言えば、自分の元手でいつまでにどれだけの資産を築きたいのかを投資家は自分で考えなくてはなりません。
ただ、個別の企業のよしあしをいちいち調べて買うのは難しいので、ファンドマネージャーにすべて委ねていい企業を選別してもらう方が初心者には楽と言えるでしょう。その運用を任せるために、投資家は運用手数料を上乗せして商品を買うわけです。
投資信託の利益について
人それぞれで状況は違うかもしれませんが、多くの人が投資信託を買う目的は利益を上乗せしてより大きな資産を作ることだと思います。
そのためには、利益が出る投資信託を選ぶことが必要になってきます。
投資信託で利益を生む方法は、「売買差益」と「分配金」の2つがあります。
「売買差益」とは、投資信託を買ったときと売ったときの価格差のことです。購入したときの値段(基準価額といいます)より上がったときに売却することで利益が生まれます。
「分配金」とは、投資信託の運用で発生した収益を購入した口数に応じて投資家に分配するお金のことです。株式と同様に、投資信託の決算日に投資信託を保有していれば分配されます。
ただし、投資信託には「分配金がない」タイプもあります。運用で発生した分配金をその都度支払わないで再投資し続けるタイプの商品です。
「分配金がある」タイプは、半年に1回や1年に1回などのタイミングで分配金を受け取ることができます。これはある意味安心感がある一方で、資産を大きく増やすことができなくなるデメリットもあります。
一方、分配金なし(=再投資型)の商品の場合、次の年には元本と利益の両方が増えます。これを複利といいます。
より大きな資産を作りたい場合、分配金をもらうのではなく、分配金なし(再投資型)を選ぶ方が賢明なのです。
投資信託の利益は、「リターン(利回り)」という形で数値化されます。この数値を使うことにより、投資の計画を立てやすくなったり、商品を選びやすくなったりします。
損失が出ることもある
運用をプロにまかせるからと言って、投資信託ならどれでも必ず儲かるというわけではありません。
投資信託の運用成績は、市場環境などによって変動します。購入した投資信託が上昇して利益が出ることもあれば、思わぬ暴落でマイナスになってしまうこともあります。
たとえば2007年のリーマンショックや、2020年3月のコロナショックでは株価が30〜50%以上下落しました。この直前に投資信託をまとめて購入していたら、当然一気にマイナスになります。
利益が出た場合と同様、損失が出た場合も投資家がそれをかぶることになります。当然マイナスになったときに売れば損失が確定しますし、値段がもとに戻るのを願って売らずにいても、景気回復が長引いたり投資先企業の業績が悪いままだと、なかなかプラスに回復しないというケースもあります。
銀行の預金などと違い、投資信託は元本が保証されている金融商品ではありませんので、投資家はそのリスクは必ず知っておく必要があります。
これは株や債券、金などすべての投資商品に共通して言えることですが、利益を出すためにはリスクをとらないといけません。大きく儲けるなら大きなリスク、小さく儲けるにも小さなリスクをとる必要があります。
つまり、損が出ることも覚悟して買わないと、リターンは得られないということです。
どれだけのリスクがあるかは商品によってもその時代や時期によっても異なりますので、そこは自分の性格とも相談して商品を選ぶ注意があります。
投資信託を選ぶときの注意点
投資信託では、投資先によって種類が2つに分けられます。
1つ目は、企業の「株式」だけをパックにした投資信託です。この投資信託を買うと、幅広い企業の株式に分散投資を行うことができます。
2つ目は、「バランス型」と呼ばれる投資信託です。バランス型の投資信託は、株式だけでなく国内外の債券や「REIT(リート)」と呼ばれる不動産商品などにも分散投資を行うことができます。
バランス型はより広い分野に分散できるため、リスクが低くてよいと思うかもしれません。しかし、債券投資は安全である一方でリターンがとても小さいため、あまり投資の妙味がありません。
少ない資金からNISAを活用する場合は特に、バランス型より「株式」連動の投資信託のほうがいいでしょう。
NISAは投資で得られた利益が非課税となる制度なので、株式より利回りのかなり低い債券を中心とする投資信託を選んでも、NISAの恩恵を十分に受けることができません。
一方、ある程度の年齢の方で、もうそれほど資産を増やす必要がなく、なるべく減らないように運用したい人は、バランス型(あるいは債券だけ)の投資信託を選んでより安全に資産運用するのもありです。
これから増やさなくてはいけないという人で、それでも株式に全額を投入するのは不安だという場合は、NISA口座で株式連動の投資信託を買い、NISA口座以外でバランス型の投資信託を購入するようにしましょう。
パッシブ型かアクティブ型か
さらに、投資信託には「パッシブ型(=インデックス型)」と「アクティブ型」の2種類があります。
パッシブ型とは、株価平均などの指数(インデックス)とまったく同じように連動することを目標にした投資信託です。
たとえば、ニュースでよく耳にする「日経平均」とか「TOPIX」。これらはある基準で選定された企業群の株価の値動きを数値にしたもので、日経平均なら日本を代表する225社、TOPIXなら東証一部上場企業のすべての株価から算出した指数です。
特に米国の大型株500株の株価指数である「S&P500」はとても優秀で、設定以来ずっと右肩上がりで推移しており、これに連動するインデックスファンドは日本でも大変な人気です。
これらとまったく同じ株式で構成したファンドは、株価平均と同じ値動きをするはずですよね。これをインデックスファンドと言います。
このファンドは機械的に投資先が決まってくるため、パッシブ(受動的、消極的)な投資信託ということで「パッシブファンド」とくくられます。パッシブファンドはそれほどファンドマネージャーの運用能力が必要ないため、手数料が安く抑えられています。
一方「アクティブ型」の投資信託とは、その名の通り、投資のプロであるファンドマネジャーが独自の目線で、アクティブ(能動的、積極的)に投資先を選びます。プロが手間をかけて分析して投資先を選び、銘柄入れ替えなども行っていくため、手数料はパッシブファンドに比べて割高になる傾向があります。
アクティブ型の投資信託は、見込み通りにマーケットが上昇すれば大きなリターンが期待でき、下落相場に備えた対策もファンドマネジャーがしてくれます。
しかし、手数料などの運用コストが割高であることと、運用成績がファンドマネジャーの手腕に大きく左右されるため、長期で見るとパッシブの方が成績がよかったりするのでやっかいですね。
【出典】たあんと パッシブ運用?アクティブ運用?投資信託を始めるならどっち?
まとめ
NISAやつみたてNISAをする際には、購入する投資信託選びに迷うものです。そんな時に参考にしたいのが、ランキングです。
人気がある商品は購入する人が多いということであり、投資に使える資金も多く集まり、大きな利益も出しやすくなってきます。
この記事の基本的な内容を頭に入れ、このブログでも提供している投資商品の人気ランキング等から商品を選んで、NISAやつみたてNISAで投資信託を購入してみましょう。