NISA(制度としくみ)

市川雄一郎のNISA講座(6)NISA枠の非課税期間はいつまで?新NISAの変更点を解説

NISA制度は2024年から制度変更になります。本記事は制度変更前の内容となっており、2023年内いっぱいまで有効です。くわしくは新制度について現行制度からの変更点を書いた以下の最新記事をご覧ください。

【速報・2024NISA拡充】2制度同時利用・恒久化で投資枠年360万*生涯枠1800万円に!2024年からNISAの制度が大幅に変更になります。2022年12月の与党税制改正大綱に盛り込まれる内容をもとに、新規制度の要点を速報しました。...

 

お得で便利な制度であるNISAですが、非課税期間がいつまでかはご存知でしょうか。

 

令和2年度の税制改正大綱では、新しいNISA制度が発表され、非課税期間が延長されることになりました。

 

ここでは3種類のNISAについて、新しい制度の変更点も含めて非課税期間を解説していきます。

 

NISAには3種類ある

 

非課税期間を述べていく前に、NISAの種類のおさらいをしておきましょう。

 

一口に「NISA」と呼ばれていますが、NISAには「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類があります。

 

それぞれのNISAによって、利用できる方や運用できるNISA口座が異なっています。

 

20歳以上の人は「一般NISA」口座と「つみたてNISA」口座を利用できますが、両方の口座を一度に保有することはできません。

 

いずれか一方の運用方法を、選ばなければならなくなっています。

 

また、「ジュニアNISA」は子どもの将来に向けた資産形成をサポートする目的の非課税制度なので、利用できるのは0歳~19歳の人のみとなります。

 

  • 一般NISA

1年間に120万円まで、株や投資信託を購入できます。一般NISA用の口座を開設する必要があり、国内上場株式・国内上場REIT・国内上場ETF・国内公募株式投資信託など、多くの種類の金融商品を購入・運用できます。

  • つみたてNISA

1年間に40万円まで、国の基準を満たした投資信託を購入できます。月1回などの継続的な積立投資が対象となりますが、途中で積立を停止することもできます。つみたてNISA用の口座を開設する必要があります。

  • ジュニアNISA

1年間に80万円まで、19歳までの子どもを持つ二親等以内の親族が株や投資信託を購入できます。口座は子ども名義となりますが、管理運用するのは保護者になります。

 

ジュニアNISAを始めるには、まず親権者名義の総合取引口座を金融機関に開設し、その後に同じ金融機関に子ども名義で、未成年口座およびジュニアNISA口座を開設する必要があります。

 

NISA口座で得た利益は非課税なので、確定申告の手続き等は不要になっています。確定申告をしないサラリーマンの方にとっては、便利でうれしい制度になっています。

 

(画像)NISAの対象と非課税枠について

NISAの対象と非課税枠

【出典】日本証券業協会 NISAについて教えてください

 

通常、株式や投資信託などの金融商品は、配当金や譲渡益等に約20%の税金が課せられますが、NISA口座で購入した金融商品の運用利益には税金がかかりません。

 

その非課税の枠をどれだけの期間運用できるかを、次に見ていきましょう。

 

NISAの非課税期間について

 

「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」では、口座を保有できる対象や非課税枠が異なっていましたが、非課税期間もそれぞれで異なっています。

 

「一般NISA」・・・非課税期間は最長5年間

「ジュニアNISA」・・・一般NISAと同じ最長5年間

「つみたてNISA」・・・非課税期間は最長20年間

 

年間の投資限度額は「一般NISA」が120万円、「ジュニアNISA」が80万円、「つみたてNISA」が40万円です。

 

この非課税枠を最大限利用して投資した場合、非課税で運用できる金額は最大で次のようになります。

 

(画像)NISAの非課税期間と非課税投資額について

NISAの非課税期間と非課税投資額

【出典】日本証券業協会 NISAについて教えてください

 

また、「一般NISA」と「ジュニアNISA」は、非課税期間が終了した後にロールオーバーする(保有している金融商品を翌年の非課税投資枠に移す)ことができます。

 

一定の手続きは必要となりますが、ロールオーバーをすることで、非課税期間がさらに5年間延長になります。その場合、非課税期間は最長10年間となります。

 

(画像)ロールオーバーについて

ロールオーバーについて

【出典】SBI証券 NISAロールオーバーとは?非課税期間満了時のご案内

 

現行NISAの投資枠・非課税期間について

 

NISA制度は2014年1月からスタートしました。

 

当初は年間投資枠100万円・非課税期間5年間でしたが、その後に投資枠が拡大されて、「一般NISA」の年間投資枠が120万円になりました。

 

一方、「ジュニアNISA」は2016年4月、「つみたてNISA」は2018年1月から制度がスタートしました。

 

現行の一般NISAとジュニアNISAは2023年までの制度なので、金融商品の購入を行うことができるのは2023年までとなります。

 

2023年中に購入した金融商品は、5年後の2027年まで非課税で保有することができます。

 

つみたてNISAには20年間という長期の非課税期間がありますが、現行では2037年までの制度なので、積立できる期間も2037年までとなっていました。

 

そのため、2018年に制度の利用を開始すれば20年間フルに運用できましたが、仮に2021年に口座開設して運用を開始した場合は、保有期間は17年間しかなく、20年間はフルに利用できませんでした。

 

年間の非課税投資枠について

 

その年に付与される非課税投資枠は、その年のうちに使用する必要があります。

 

非課税枠を使い切らなくても、未使用の非課税投資枠を翌年以降に繰り越すことはできません。

 

また、NISA枠に投資商品を加える場合、購入手続きをして売買が成立した日(約定日)ではなく、実際に証券会社から商品が渡される日(受渡日)がベースとなりますので、年内に枠を使い切りたい場合は注意が必要です。

 

売買が成立した場合、約定日から2営業日後が受渡日となります。

 

また、投資信託の取引の場合も株式と同様に受渡日ベースとなります。

 

投資信託の場合、約定日が注文日の当日あるいは翌営業日で、さらに受渡日が3営業日後、4営業日後などの銘柄もあるので、株式の取引以上に注意が必要です。

 

「NISA」新制度とは

 

現行の「一般NISA」の場合、年間120万円までの枠で投資信託や株式等幅広い商品の購入が可能となっていて、NISA口座内で購入した商品は、最大5年間、配当金や売却益が非課税となります。

 

そんな一般NISAは2023年に終了予定でした。しかし、制度の内容が変わった「新NISA」が2024年から開始されることが決定しました。

 

詳細については未定な部分もありますが、「新NISA」の非課税期間については発表されています。

 

(画像)新NISAについて

新NISAについて

【出典】2024年から新NISAがスタート 一般NISAとつみたての合体版

 

財務省が発表した大綱では、「一般 NISA」と「つみたて NISA」について、投資できる期間をそれぞれ5年延長するとされています。

 

それぞれの変更点をまとめておきます。

 

一般NISAの変更点

 

従来の一般NISAとは異なる新制度に移行します。基本的な仕組み自体がかなり大きく変更されるようですが、非課税期間の終了する年は2023年から2028年となり、5年間延長されます。

 

また、成人年齢の引き下げにより、2023年の1月1日以後に開設する口座から、口座開設できる年齢要件が18歳以上に引き下げられます。

 

つみたてNISAの変更点

 

つみたてNISAの非課税期間は、2017年から2037年の20年間でした。

 

しかし、新NISAでは期間が5年間延長されて、2042年までとなります。

 

そのため、2021年から運用を開始した人でも、20年間は口座を利用することができるようになります。

 

ジュニアNISAの変更点

 

ジュニアNISAは、一般NISAと同じように最長5年間(ロールオーバーを利用すると10年間)の非課税期間がありました。

 

しかし、ジュニアNISAは当初の予定どおり、2023年で新規口座開設が終了となります。

 

それに伴い、2024年からは既存口座の払い出し制限が解除されます。

 

現行のNISAでは18歳にならないと払い出しできませんが、払い出し制限の解除によってかえって使い勝手がよくなる可能性もあります。

 

あと2年しか利用できませんが、お子さんのためだけでなく、親御さんの節税のためにも、今のうちにジュニアNISA口座を利用するのもいいでしょう。

 

まとめ

 

NISAの非課税期間は、最長5年間となっていて2023年の申し込み分で終了となる予定でした。

 

しかし、2024年から5年間の措置として「新NISA」がスタートします。

 

現在、新NISAに関しては詳しい情報が発表されておらず、不明な部分もあります。

 

しかし、せっかく延長が決まった新NISAの5年間を有効に活用して、自分自身の資産形成に役立てていくようにしましょう。

 

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