つみたてNISAに最適な投資信託を考えるシリーズ第一弾。
今回は「全世界株」を対象にした投資信託を解説・紹介します。
つみたてNISAでも特に人気の高いジャンルで、1つの商品に世界中の上場企業約1,000〜9,000社ぐらいの株式が集められています。
世界の数千銘柄に一度に投資できる「超分散型」
世界にはいったいどれくらいの企業が上場しているかわかりますか?
全世界250ヶ所の取引所が加盟する国際取引所連合(WFE)によると、世界の上場企業数は約57,000社(2021年10月末現在)と報告されています。
「全世界株式(オールカントリー)」の投資信託は、これらすべての国々の上場企業が対象です。
ただし、これら50,000社以上の企業全部に投資するわけではありません。
この中でも特に時価総額が高く、各国を代表するような企業群約1,000〜9,000銘柄ほどに投資する商品が主流です。
同じ「全世界株」でもこのように組み入れ銘柄数にはばらつきがありますが、北米、南米、アジア、オセアニア、ヨーロッパ、アフリカ地域にまたがり、新興国から先進国まで幅広い銘柄を組み入れた「超分散」型の投資信託といえるでしょう。
ベンチマークの主流は2つ
米国にダウ工業株30種平均やS&P500種指数、日本に日経平均株価やマザーズ指数があるように、全世界の代表的な株を集めた株価の指数があります。
その中でも特に有名なのが、
- MSCIワールド・インデックス(世界株価指数)・・・米国の金融サービス会社MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)社が算出する指数。組み入れ銘柄数は約2,900社。
- FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス・・・英国のFTSE(フッツィー)インターナショナル社が算出する指数。組入銘柄数は約9,000社。
という2つの株価指数です。
これらの指数をベンチマークとする(=同じ銘柄数を同じ比率で組み入れて値動きが同じになるように狙う)商品が「全世界株」投資信託です。
米国の比率が圧倒的に高い
商品ごと指数ごとに銘柄数は2000〜9000社と違いがありますが、1つ確かなのはどれも圧倒的に米国株の比率が高いということです。
ただし、米国株100%の投信よりも分散がきいているため、その分のリスクが少し小さくなっているのが積立派にも人気のようです。
日本企業を含めるか含めないかの違いなどがありますが、全体的に米国株の比率が高く、いわば「地球全体」のグローバルな経済成長に投資するファンドと言えるでしょう。
「全世界株」投資信託の人気ファンド4選
最後に人気の4つのファンドとその比較表を掲載しておきます。ご自身の積立にお役立てください。
分類 | 全世界株 | 全世界株 | 全世界株 | 全世界株 |
投資信託名 | eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 | 楽天投信投資顧問 | 三菱UFJ国際投信 | 三井住友DCアセットマネジメント |
設定年 | 2018 | 2017 | 2018 | 2011 |
純資産総額(億円) | 3902 | 1482 | 1110 | 852 |
信託報酬率(%) | 0.1144 | 0.212 | 0.1144 | 0.275 |
ベンチマーク | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース) | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース) | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円換算ベース) | MSCI ACワールド指数(除く日本、円換算指数) |
1年リターン | 31.65 | 30.96 | 32.98 | 32.45 |
3年リターン | 16.80 | 16.31 | 17.40 | 17.07 |
組入銘柄数 | 2929 | 9255 | 2670 | 2144 |